マグネシウム粉 マグナリウム粉(Al−Mg粉) 金属粉メーカー 株式会社関東金属

マグネシウム関連情報 Magnesium infomation

マグネシウムの歴史

マグネシウムは1808年、イギリスの科学者「ハンフリー・デービー(Humphry Davy)」によって発見されます。 彼は他にも様々な物質を電気分解させて、カリウム・ナトリウム・カルシウム・ストロンチウム・バリウムの計6元素を発見しています。

金属マグネシウムはアメリカをはじめ北欧や日本でも製造されていました。日本では1933年に日満マグネシウム株式会社(理研と満鉄の合同会社)を皮切りに、 旭電化工業、日本曹達、信越窒素肥料(信越化学)などがマグネシウムの製造を行いましたが、終戦でいずれも閉鎖。その後古河マグネシウム、宇部興産がピジョン法にて マグネシウムの製造を開始します。しかし現在ではその両社とも工場を閉鎖し日本での製造はなくなりました。現在では中国での製造が世界シェアの8〜9割を占めています。

金属マグネシウムの製造方法

前述のように、現在の金属マグネシウムはその殆どが中国で製造されています。中国ではピジョン法(珪素還元法)という精錬方法が主流です。 ピジョン法は、原料にドロマイトとフェロシリコンを使用します。

このドロマイトは炭酸Mgと炭酸Caの混合体で、これを焼成して酸化マグネシウムと酸化カルシウムとし、これに珪素(フェロシリコン)を混合させて粉砕し固め、ペレットとします。 このペレットを真空炉にて加熱させ、珪素の還元作用(MgO + Si => Mg + SiO)で出来たマグネシウム蒸気を回収して金属マグネシウムを製造しています。



この他にも海水を利用した電解法(海水→水酸化Mg→塩化Mg→電解→Mg)という製法もありますが、大量の電力を使用する為、電気の安いロシアやイスラエルなど一部の国に限られ、 中国のピジョン法が(中国の供給力が圧倒的多数な為)主流になっています。

金属マグネシウムの性質

その一. 軽い金属
金属マグネシウムの特性として何よりも一番に語られるものは、その”軽さ”ではないでしょうか。Mgの比重は1.8、Alは2.7、鉄(鋼)は7.9あります。 軽いものを作るという事は、その物体を移動させるためのエネルギー消費量が少なくて済むという事。近年話題のエコロジーに繋がります。車の部品や タイヤのホイールなど様々な部品に今も使われているようです。ただ、2008年の北京オリンピック直前からマグネシウムの価格が高騰しAlよりも 値段が高くなりすこし下火になってしまった様な気がします。2010年現在ではその価格も随分と戻り、またこれからの需要に期待です。

その二. 振動吸収
マグネシウムは高い振動吸収性があります。その特性を利用してチェーンソーのボディーやスピーカーの振動板として使われています。機械装置の 寿命を長くし、騒音を減少することにも繋がります。

その三. エネルギー利用
用途としての話になるかもしれませんが、近年マグネシウムのエネルギー利用研究が進められています。燃焼しても二酸化炭素が発生せずに強い火力 を得ることが出来、又水と反応させる事で水素を発生させる為、アメリカではその水素を利用して車の燃料とする研究もあるようです。 ただマグネシウムを製造するにはかなりのエネルギーが必要な為、酸化物を還元させて再利用できる仕組みが最大の課題です。

金属マグネシウムの用途

現在金属マグネシウムの用途として最大のものは、アルミへの添加剤としての利用です。アルミサッシやドリンク缶の底、アルミのような材質で 少し硬度のあるものは、マグネシウムが混合された合金です。この他にもマグネシウムの高反応性を利用した脱硫剤や有機化合物を作るグリニャール 試薬などにも使用されています。又マグネシウムは酸化(燃焼)させると強い熱と閃光を発生させる為溶接棒や花火などにも使われます。

金属マグネシウム情報(その他)

*エネルギー利用の研究としてNASAの「オンデマンド水素生成装置」が記事になっていました。 水とマグネシウムを反応させ発生させる水素を利用するものです。色々問題点はあるようですが今後注目の技術研究です。

*東京工業大学の矢部孝教授はマグネシウムの燃料利用そしてその発展系社会の創造を考えられています。排出物である酸化マグネシウムを 太陽光レーザーによって還元し、再度利用可能なマグネシウムとする。これが可能であればマグネシウム作成にかかる大量のエネルギー問題も克服してしまいます。 先月(H22.2.9)WBSでも特集として取り上げられていました。拝見しましたが中々壮大な計画で見所がありました。

*弊社の隣県茨城県では「茨城マグネシウム工業会」という企業の連携事業が おこなわれています。様々なマグネシウム加工に関する企業体が連携して、マグネシウムの普及とマグネシウム産業の大集積地として茨城県を発展させようと ご尽力されています。アルミなどのメジャーな金属と違い、マグネシウム産業の場合はなかなか横のつながりが少ない業種なのでとても良い取り組みだと思います。

*この他随時追加致します。定期的にご確認下さい。